シアトル

冬→夏→冬→夏→冬(いまここ)→夏→冬 

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キューバからは、一度メキシコ・シティに戻ってからシアトルへ。
この町の郊外にアメリカ人の友人が住んでいたので、2週間彼らの家に滞在していた。

今回の旅では、季節が目まぐるしく変わっていたため、さすがに体調が悪くなってきていた。
特に寒波の影響で、本来暖かいはずの南部が寒かったのにやられた。
あとはニューヨークを出てから、特にアメリカ南部は旅程が詰まってたし、加えてメキシコやキューバの空気の悪さで喉もやられたみたいだった。

実はマイアミに行く前に、シアトルも数日滞在してた。
だから、パブリックマーケット周辺のガムが貼り付けられたガムウォールやスターバックス一号店、郊外のボーイングの工場見学等々見どころはいくつか見ていた。
そこで、シアトルではゆっくり体を休め、シアトル住民気分で過ごした。
朝は、友人を車で送りつつ、毎回違うカフェでコーヒーを買い、家で軽めの朝食。
昼間家では、PC作業や、映画を見たり、昼寝したり。
(映画はアメリカンサイコ、二郎は鮨の夢を見るロスト・イン・トランスレーションアウトレイジとか、敢えてアメリカで見ると面白そうなのを選んで見てみた。)
車では、周辺のアジア食材スーパーや、コストコ一号店を回りながら、森の中をドライブ。
昼食は、インスタント麺や何かで軽くすませ、夜は友人を迎えに行って、家で何か作って食べてた。
そんな感じでゆっくり過ごすうち、体調も回復。

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シアトル、そしてアメリカ人の生活

シアトルは北海道より北にあるけど、冬でも関東と同じくらいの寒さだと感じる。

ただ雨が多い。
そこでみんな何をするかと言えば、家で映画やネット動画を見たり、テレビゲームをしている。
アメリカではネット映像配信サービスのNetflixがすごく発達してて、一般家庭やホステルなんかでもかなりの導入率。
このサービスは、車での移動が前提のこの国だからこそ、急速に普及したんだと感じる。
まれに映像が乱れたりもするけど、そんなことを気にしすぎないって文化もあるだろうと思う。
同じように、閲覧回数がけた外れに多いネット動画があるのは、家で家族や友人とネット動画を見る文化があるからだと思う。

そんな中で感じたのが、この国では結構選択肢が少ないってことだった。
もちろん、ビールの種類は、違いがわからない程豊富だし、車メーカーは多くないけど、各社のブランドと車種は多い。
でも、例えば音楽だって多様にあるはずなのに、ラジオをかければ同じ曲が一日に何度もリピートされる。
特にシアトルに居ると、昨年流行った地元出身のマックルモアがひたすらかかってる。
浄水器のブリタは、全部の家にあるんじゃないかと思うほどの普及率。
家電なら国内メーカー・フリジデールとGE、海外メーカー・サムスンかLG。
日本の白物家電は売ってない。
そんな家電を扱う量販店は、何処へ行ってもベストバイ、ターゲット、総合スーパーならウォルマート。
カフェならスターバックス一強。
これが自由競争の結果なんだろうと思う。
市場占有率のトップがシェアを大きく獲得する構図がはっきりしている。
人口も面積も大きなこの国で、日本より選択肢が少ないってのが不思議な感覚になる。
逆に日本の商品の選択肢の多さが不思議なのかもしれないけど。

アメリカにいて、そんな選択肢について考えている中、ロシアの話を思い出した。
ロシアではコカコーラ、ダイエットコーク、ペプシ、さらにはスプライトも、全部ソーダと呼ぶんだそうだ。
それは国営工場で物を作っていた当時の名残りで、配給が前提であれば製品を差別化して競争するなんてことが必要なくて、むしろ多少違っても物量を供給する方がいいから、甘い炭酸水は全部ソーダと呼んだらしい。
いつの話なのかわからないし、真偽も確かめてない。
だけど、これって今の資本主義経済の一つの欠点を言ってると思う。
ほとんど違いの無いものを差別化して売ろうとする。
ある意味で選択肢が少なくなるってのは、この問題に対する解決策なのかもしれないなぁなんてことを思った。

 

長くアメリカ人と過ごすことで、感じること。

友人宅で長く過ごしていることで、アメリカ人の素な部分が良く見えたと思う。
それはある部分で日本の人と変わらないし、ある部分ですごく違う。
例えばアラサー女性が話している内容は、所変わっても変わらず、結婚のこととかザ・女子トーク。
女子複数の中に男一人は居心地が悪い。
毎朝配信される自己啓発系メッセージアプリがあったりするのは、形は違うけどどこの国でも変わらないと思う。
一方で、現地の社交界「レーニアクラブ」に連れて行ってもらって話した財界人達は、シアトルってことを差し引いてもすごくリベラルで驚く。
例えば、ヒッピー文化の進化系イベントのようなバーニングマンに行きたいねぇって話をしていたり、自分がこれから始めるゲストハウスにも、自由に意見をくれたりする。
アメリカってところは、日本に比べると多様な文化と価値観の人がいるってことを肌で感じる。
そして、人種や考え方の違いで分断されていると感じるところもあるし、うまく尊重しあえているところもある。
アメリカ人でも、アメリカが好きじゃない人だって居る。
だからこそ、個人と家族を大切にするんだってことを強く実感する。

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