メキシコシティ

大都会メキシコシティ

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この町に着いて、すっかりメキシコとメキシコシティのイメージが変わった。
強い日差しに映えるカラフルな建物が並び、スペイン風の建物が残る歴史地区やインカ文明等の遺跡が街中にもある、それがこれまでのイメージ。
もちろんそういうところもある。

だから、こんなにオフィスビルがあることに素直に驚いた。
しかもほとんどのビルが新しく、建設中のビルも多い。

そして、そんな通りを歩く、スーツを着たビジネスパーソン達。

世界各国の大都市に行って思うのが、オフィスビルが林立して、スーツを着た人が闊歩するようなビジネス街ってそんなに多くないってこと。
ロンドンやパリだってオフィスエリアは大きくないし、ニューヨークだってマンハッタン島の一部だけって感じ。

同じラテンアメリカ、ブラジルのサンパウロも近いけど、1970年代までのオフィスが多くて、もう少し落ち着いてる。
そんなわけで、世界で一番オフィスビルが多く、スーツ着た人が多いのは東京だと思う。
でも、メキシコシティのオフィス街もかなりの規模。
スーツを着た人がこれだけ町にいる感じは、ちょっと懐かしい。

 

西洋か、東洋か

アエロメヒコの機内誌に、メキシコ人の自己イメージを垣間見せる面白い記事があった。
その記事は、世界を変えたアニメーションって記事で、5本のアニメーションを中心に世界のアニメーションの潮流を説明したものだった。
選ばれた作品は、ディズニー、ピクサーのアメリカ映画と、日本の「アキラ」と「千と千尋の神隠し」だった。
日本のアニメをメキシコ人が語ってるってことも面白かったけど、この2作品に対しての説明書きが興味深かった。
それは、どちらの作品も西洋と東洋の橋渡しをした作品だというもの。
これを読んで、自分の認識と、メキシコ人の認識が違うんだろうってことに気付いた。
自分はこれまで、日本や中国等の東洋、欧米の西洋、そしてそれ以外の世界としてのメキシコ等の中南米という整理をしていた。
でも、少なくてもこの記事を書いたメキシコ人は、自分たちを西洋人だと思っているってことだろう。

これで少し腑に落ちたことがある。
アジア的なごちゃごちゃ感はあるんだけど、とてもすっきりとデザインされた交通機関や建築物も多い。
例えばメキシコ人建築家、ルイス・バラガンの建物なんかは、光や色の計算のされ方が天才的で感動した。

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そういうところへのこだわりから、この国が混沌としたアジアとは違うなぁって思っていた。
実はメキシコ人の大部分は、白人と先住民の混血だそうだ。
きっとそういうところから、ヨーロッパ人のプライドを持ってる人が多いんじゃないかと思った。
この話をアメリカの友人にもしたところ、彼らの感覚も自分と近いものだったらしくて、興味深いねって言ってた。

 

メキシコ滞在以後、人にはこの国を「タイとヨーロッパがごっちゃになった国」だよって紹介している。
町の活気、食べ物の種類の多さ、服のセンス、人の明るさ、LGBTへの寛容さとか、どこかタイに似てる。
そして洗練されたデザインの部分はヨーロッパ的。

こういう、文化が混ざった感じはスリランカにも似てる。

インドの混沌が基調にありながら、イギリス植民地時代の文化も色濃い感じ。

メキシコは、メキシコシティとティオティワカン遺跡くらいしか行けなかったけど、もし日本から近かったらすごく人気が出ると思う。
個人的には、古代文明テキーラの奥深さにも感動したんで、そういう意味でもお勧めの行き先。

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